[本] 9月に買った本

9月に買った本。数は多くないが、どれも良い本だ:

[記事]「学校教師たちの"SOS"を受け止めろ!」(東洋経済ONLINE) を読んだ

東洋経済ONLINE で「学校教師たちの"SOS"を受け止めろ!」という記事を読んだ。

  • 「学校教師たちの"SOS"を受け止めろ!」(p.1, p.2)

労働時間が長い
OECD(経済協力開発機構)が2013年に実施した国際教員指導環境調査(通称「TALIS」)によると、日本の教師は1週間で53.9時間働いている。
(ibid.)
他の国はどうかというと:
参加国平均は同38.3時間。たとえば韓国は同37時間、スウェーデン42.4時間と、日本の教師の労働時間は突出して長い。
(ibid.)
「突出して長い」とある。TALIS日本版報告書「2013年調査結果の要約」(pdf)を見て分かるように、最長である。


なにに時間をかけているのか?
参加国平均と照らし合わせる。次の項目が目立つ:
  • 課外活動の指導 (例: 放課後のスポーツ活動や文化活動) :
    日本7.7時間 v.s. 参加国平均2.1時間
  • 一般的事務業務 (教員として行う連絡事務、書類作成その他の事務業務を含む) :
    日本5.5時間 v.s. 参加国平均 2.9時間
  • 学校運営業務への参画:
    日本3.0時間 v.s. 参加国平均1.6時間
  • (「報告書」より、一部改)
授業とは直接的には無関係の業務にかかる時間が長い。


このままで大丈夫か?
大阪大学大学院の小野田正利教授は「ここ20年間、学校に『できないこと』『不可能なこと』まで押しつけてきた。学校の守備範囲を確定しないと学校はもたない」と警告する。一度立ち止まって、「教育改革病」を考え直さないと、肝心の教育の支え手である教師が燃え尽きてしまう。
(「学校教師たちの"SOS"を受け止めろ!」)


リンク

[Mac] Word for Mac 2011 の 個人用テンプレートの保存場所

メモ。Word for Mac 2011 の 個人用テンプレートの保存場所:

  • /Users/ユーザー名/Library/Application Support/Microsoft/Office/ユーザー テンプレート/個人用テンプレート
Excel for Mac 2011 の個人用テンプレートも同じ場所に保存されるようだ。

追記: /Users/ユーザー名/Library の開き方は -> [Mac] /Users/ユーザー名/Library を開く

[本] 『教師のための「教える技術」』がステキ

向後千春先生『教師のための「教える技術」』を購入、拝読。


1. 概要

向後先生は、表紙にあるように、『教師力 = 3つの能力』としている:

  • プロとしての教え方を究める教える技術
  • インストラクショナルデザインが拓く授業デザイン力
  • アドラー心理学に基づくクラス運営力
3つのそれぞれの能力に関して、下位項目の説明がなされている (冒頭のDIAGRAMが分かりやすい) 。


2. 感想

まず、なんと言っても分かりやすい。その原因の一つが文の簡潔さ。例を挙げよう:

しかし、かかる時間は違っても、そのステップをこなすために必要な時間が与えられれば「誰でもできるように」なります。これは重要なことです。逆に言えば、「その人に必要な時間が与えられれば、どんなことでもできるようになる」ということなのです。これを提唱者の名前をとって、「キャロルの時間モデル」と呼びます。(p.46)
知識を整理することを「体制化」と呼びます。子どもは、新しい知識に出会うたびに、自分なりに体制化をして、すでに持っている知識に組み込んでいきます。しかし、それは必ずしも適切なものとは限りません。そこで、新しい知識がある程度出てきたら、それを適切な形で体制化して、提示するのが教師の仕事になります。(p.72)
文脈を無視した引用だが、一読してスッキリ理解できるはずだ。当然、引用部分の前には注意深く配置されたスモールステップがあり、後ろには例示やまとめがある。つまり、もっとスッキリ理解できる。

簡潔であるが、不足感を感じない。この作文技術をぜひ見習いたい。

感想の二点目。物足りないと感じる部分がある。例えば、「取り組んだことを振り返る技能 (p.114~)」では、再帰属訓練に関してもう少し説明が欲しい。

しかしながら、対象とする読者が学校の教師 (日本の学校の教師は労働時間が長過ぎ、自己研修の時間がないことで有名) であることをふまえると、物足りないくらいがちょうどよいのかもしれない。また、そもそも「おわりに (p.190)」にあるように「教えることを仕事としている人が、全体としてどのような技能を身につけなければいけないかということについて、その全体像をうまくまとめ」てあるのだから、「物足りない」は筋違いである。

いや、、、何かが違う気がする。「物足りない」と言っても、不満なのではない。むしろ、前向きで明るい気持ちである。
...なるほど、分かった。「物足りない」の意味には2種類あるのだ:

  1. 「ぜんぜん書いてない。手抜きだ。 (否定的な物足りない)」
  2. 「なるほど。もっと広く・深く知りたい。(肯定的な物足りない)」
私の感じたのは「もっと知りたい」の肯定的な物足りなさだ。これは、向後先生によって「やる気」をひき出された、ということだ。

(もっと知りたくなったので、早速注文した『インストラクショナルデザインの原理』が、明日到着予定。)

おっと、予定よりも、長くなってしまった。「物足りなさ」に関して横滑りしてしまった。まだまだ書きたいことがあるが、ここで止めておく。とにかくいろんな人にお勧めしたい一冊。


参考
向後千春 (2014). 『教師のための「教える技術」』 明治図書出版

[Windows] AutoHotKey その2

職場の Windows PC に AutoHotKey というソフトを導入して、キーバインドを変更 したら、ものすごくキー入力が楽になった。ホームポジションから手をはずさずに上下左右、行頭・行末にカーソルを移動させたり、文字を削除したりできる。ストレスフリー。 カーソル移動系...