まえがきから引用する:
日本で最も広く学ばれている外国語は、言うまでもなく英語である。そしてほとんどの英語学習者の最終目的は「英語を使いこなすこと」、つまり、英語を用いて「読み、書き、話し、聴き取る」能力を獲得することにある。...全9章、本文179ページ。前半部分は文法的側面が強い。上質の例文が極めて注意深く配置され、そこに明快な補足説明がなされている。理解だけでなく、自分が説明する際にも大変役に立つだろう。
著者は、最近ともすれば耳にする「文法など無視して英語によるコミュニケーション能力を養え」などという暴論にくみするものでは決して無い。... 実用的文法知識はコミュニケーション能力にとって必須の知識なのだ。
とは言いながら、文法を知っているだけでは適切な状況下で適切な英語を使えないのもまた事実である。...
言いたいこと書きたいこと – つまり自分の意図 – を確実に相手に伝えるためには「文法+x」の知識が必要となる。この巻はそうした「+x」を学んでもらうことを目指している。(ibid.: まえがき; emphasis in the original)
中盤からは「+x」的側面が強くなってくる。著者の体験談がふんだんにちりばめられている。英語で皮肉を言ったりジョークを飛ばせる著者の英語力 (文法+x) の高さを実感できる。
読み出したら止められず、一日で通読してしまった。読んでいて分かりやすいだけでなく、知的好奇心をくすぐったりユーモアで楽しませたりと、読者に対する配慮が満載だ。
今井邦彦. (1995) 『4. 英語の使い方 <テイクオフ英語学シリーズ>』. 大修館書店.
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