[本][英語] 推量を表す must と should (ought to)

今日も英語のお勉強。以前の記事に引き続き、助動詞。 今回は must と should (ought to)。

いわゆる推量の意味で、mustは「~にちがいない」、shouldは「~のはずだ」「きっと~だ」と訳す。日本語訳からもわかるように、must は should よりも確信が強い。Forest から例を引こう (p. 122f):

  1. She must be Bobby's sister. (彼女はボビーのお姉さんにちがいない。)
  2. He should win the race. (彼はきっとレースに勝つはずだ。)

確信の度合い、という観点からから考えると、mustを使っている上の例文の方が、shouldを使っている下の例文よりも、確信度が高い。

ただ、実は、2つの助動詞の意味のちがいは確信の強さだけではないのだ。

must は「現在入手できる根拠に基づいた、現在の状況に関する確信」を表し、should は「判断の当否が将来において確かめられ得るような推測」を表す (今井 1995: 59)。
例を引用しよう:

  1. You must be crazy!
  2. ×You should/ought to be crazy!
  3. ×John must be back by tomorrow morning.
  4. John should be back by tomorrow morning.
  5. (ibid.: 59, 一部改)

3の例文が示していることは、ある人がおかしな言動をしており (現在入手できる根拠)、そこから「あなたはcrazyにちがいない」と確信を持って判断している (現在の状況に関する確信) ということ。なので、must がふさわしくて、4のようにshouldは不適切になる。一方、5,6 の例文の方は、ジョンが明日の朝帰ってくるかどうかは、明日の朝に当否がわかる (判断の当否が将来において確かめられ得るような推測」。よって should が適切である。逆に must は不適切となる。

この考え方を踏まえて、冒頭の Forest からの引用を見直してみよう。はじめの文は、ボビーとそっくりの話し方・口癖・外見...などから確信を持って判断している (現在入手できる根拠) 、ということで must を使っているのだろう。一方、2番の文は、レースが終わってみれば彼が勝ったかどうかが判明 (判断の頭皮が将来において確かめられる) するので should がふさわしい、ということになる。

must と should (ought to) の使い分けは、(1)確信の度合いの強さ、(2)「現在の証拠で現在の確信」or「将来確認できる推量」、の2点となるわけだけれども、おそらく、より根本的な違いは(2)の点になるのだろう。というのは、「現在入手できる根拠に基づいた、現在の状況に関する確信」であれば、必然的に確信の度合いは高くなり、「判断の当否が将来において確かめられ得るような推測」であれば確信の度合いは下がる (未来のこと確信を持って推測することは難しい) からだ。

助動詞は日本語訳を機械的に当てはめて満足していたけれども、色々調べてみると面白い。

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